tumugi

ツムギ

[業種]大分類:製造業 中分類:繊維工業 小分類:外衣・シャツ製造業(和式を除く)

会社紹介 PICKUP特集

自社ブランドとパターン・縫製を守備範囲として

tumugiは、新垣沙代さんが展開するファッションブランドであり、パターンやサンプル縫製、小ロット生産をフリーランスとして受注しています。 新垣さんは、服飾の専門学校を卒業後、デザイナー山本耀司によって設立されたブランドYohjiYamamotoに入社し、その既製服部門であるY’s(ワイズ)のパタンナーとしてキャリアの第一歩を踏み出しました。その後、ファッションデザイナーとして独立する友人が立ち上げたブランドにパタンナーとして参加し、活動。そして結婚・出産を経て、今まで通りに勤務することが難しくなったため、新たな働き方を模索し、2012年にフリーランスとして活動を開始。当初は、デザイナーの知人から依頼されるパターン作成を中心に、子育てと両立しながらこなしていました。 子どもの保育園入園を機に、2013年、屋号をtumugiとし、本格的に活動をスタート。以来、ブランドやファッションメーカーからパターンや縫製を受注するとともに、知人の子どもが小学校入学式に着用するスーツの製作や知人のウエディングドレス製作を依頼されたことをきっかけに、オリジナルブランド“tumugi”をスタートさせ、現在、デザイナーとしても活動しています。

求められることを丁寧に具現化する

パタンナーの仕事とは、デザイナーの描いたデザイン画をもとに型紙(パターン)を作成するものです。デザイン画やデザイナーとの打ち合わせを通じて意図を把握し、平面から立体へ起こすため、複数のパーツを組み合わせてパターンを作成していきます。デザイナーによってはイメージのみを伝えてくる場合もあり、パタンナーの腕次第で洋服の仕上がりや品質が変わってくる重要な職種と言えるでしょう。
新垣さんは「デザイナーがどのような雰囲気を意図しているのか、対話を重ねながら形にしていきます」と語っています。
パターンや縫製の仕事では、新垣さんは求められることに一つ一つ丁寧に応えていくことをポリシーとしてきました。そうすることにより少しずつ引き出しが増え、それが自分のブランドであるtumugiのデザインにも良い影響を及ぼしているようです。




オリジナルブランドの展開

パターン作成や縫製の仕事で基盤を築きつつ、2016年にはオリジナルブランド“tumugi”の展示会を開催。現在までに合計7回の個展を墨田区内で開き、そのコレクションをベースに受注生産を行っています。大人のレディースを中心に、メンズを含む構成です。メインとなるコンセプトは、”なんてことのない日に着る、ちょっと特別な服。いつもの日常を、ちょっと特別な日に”。「好きな服を着ると、背筋が伸びる感覚がありますよね。視線が上がるし、気持ちも上がる。そんな気持ちになれるような服づくりを心がけています」と新垣さんはブランドに込めた志について説明します。
また、もともとデザイナーではなくパタンナーからスタートしていることを、新垣さんはものづくりにおける強みとしています。
「例えば、デザインにしてもパターンから考えられるシルエットの美しさやディテールにこだわっていますね。寸法にとらわれず、身体がキレイに見える服づくりを目指しているんです」
tumugiは、良い意味でのゆったり感、繊細さ、シルエットの美しさが同居して、心地よさを醸し出している。その味わいは、デザインに加えて、tumugiの洋服のほとんどで採用している「東炊き」という生地の質感によるところも大きい。何度も洗わないと出せないような柔らかな風合いが魅力となり、新垣さんも「東炊きなしでは、tumugiの洋服はできません」とその重要性を語っています。


洋服づくりの3つのポイント

  • 東炊きの生地

    tumugiが醸し出す独特の柔らかい質感を創り出している要素の一つが、墨田区内の川合染工場がつくる「東炊き」の生地。江戸時代に由来する染色技法「釜入れ」という生地の染め方を現代によみがえらせたものです。

  • オーダーメイド

    コレクションの受注生産に加え、完全オーダーメイドの洋服づくりも行っているtumugi。主として既製服が合わないという人から、自分に最適なサイズでの洋服づくりを依頼されることが多い。

  • 主張し過ぎないこと

    デザインにディテールを詰め込み過ぎると、服の主張が大きくなり過ぎてしまうもの。あくまでも服は人に着てもらってこそ完成するという考えから、少し余白を残すくらいの良い加減のラインを探求しています。

“良い加減に、適当に”息の長い服づくりを

tumugiの販売方法は、個展で披露したコレクションからの受注生産がメインとなっています。ほかにtumugiのwebサイトを通じての通販も受けてきました。受注した洋服は、一つ一つ自ら手づくりしています。 新垣さんは、コロナ禍の2020年は個展開催を休んでいましたが、2021年から再開しました。それでも肩ひじ張っているわけではなく、「“良い加減に、適当に”が基本です。力を入れ過ぎると、すごく重たいものになってしまう。納得できないものを世の中に出したくないので、目に見える範囲で、自分の手に届く範囲で仕事をしていきたいですね」と、これからの展開について語る新垣さんの言葉は、tumugiの雰囲気そのものを表現しているようでした。

動画で見る「tumugi」

≪ PICKUP企業特集一覧に戻る

連絡先

TEL03-6657-2118
FAX03-6657-2118
担当者新垣 沙代
WEB ホームページ  Instagram  Facebook 
会社紹介 PICKUP特集