株式会社石井

イシイ

[業種]大分類:製造業 中分類:なめし革・同製品・毛皮製造業 小分類:なめし革製造業

会社紹介 PICKUP特集

革の卸売、バッグの自社ブランド、OEM生産

革の卸売事業、皮革バッグの自社ブランド展開、皮革製品のOEM事業を手がける株式会社石井。革といえば、その用途はほとんどがファッション分野であるが、創業時の1899(明治32)年当時はプラスチックやゴムがなかったため、石井では機械のパーツとしての使用をメインに事業を展開していました。石井が手がけていたのは、例えば、水道やガスのメーターのパーツ。戦後、徐々にファション分野の需要が増え、それが主力となったのは1980年頃でした。 現在、革の卸売事業についてはイタリアやインドの業者から仕入れ、ファッションメーカーに卸売。バッグの製造販売ではレディス、メンズともに独自ブランドを展開し、卸売だけでなく秋葉原のショップで直販も行っています。さらにOEMやODMによる製造も事業の一つです。

SDGsにも合致する革の卸売事業

石井では、創業120年の長い歴史から築いたネットワークを駆使し、基本的に需要に応じて市場に流通しているものなら何でも仕入れることができるため、扱う革は牛、水牛、羊、山羊をはじめ多岐にわたります。イタリアやインドに長い付き合いのある仕入れ先を抱えていることから、多種多様な素材を取り扱えることが強みです。
「当社のポリシーとして、食肉の副産物の材料しか扱わないことにしています。毛皮や爬虫類など革のために狩猟、飼育されるものは扱いません。言ってみれば食肉とした後の『廃棄物』を使っているわけです。革は悪者にされがちな傾向がありますが、本来は革こそが究極の『SDGs』のはずだと考えています」と語るのは、同社の石井慶太さんです。




MUZICA VITAとWYNN BROWNEの2ブランド展開

自社ブランド展開については、レディス・バッグが「MUZICA VITA(ムジカ ビータ)」、メンズ・バッグが「WYNN BROWNE(ウィン ブラウン)」。MUZICA VITAは、最も特徴的な路線は手編みのレザーメッシュバッグ。インド産の山羊や水牛の革を素材とし、無縫製で全て手編みしています。革ならではの適度な柔らかさと、しなやかでかつ張りがあるため、類似するカゴバッグにはない高級感があります。また、主としてイタリア産の発色の良い革を素材にしたバッグも人気のあるラインナップとなっています。
一方、メンズのWYNN BROWNEは、クラシックなスタイルが主流で、いま最も人気があるのは、スリーウェイスタイルのバッグ。リュック、ショルダーバッグ、トートバッグとしても使えるもの。現在開発中のモデルは革を極限まで薄くし、かつ、裏地にカーボンを貼り、強度を維持しながら驚くほどの軽さを目指しています。
レディス、メンズともにバッグ以外に財布をはじめとする革小物を展開中です。




展示会を核に、素材事業とバッグ事業の相乗効果を創出

石井が商品を卸している販売店は全国に60〜70店。ほかにネットショップとしてbase、minne、Creemaなどに出店しています。コロナ禍で外出の機会が減り、リアル店舗での販売が減少傾向にある中、今後はネット展開にさらなる力を傾けていく予定です。
バッグ分野では年に2回展示会を開催し、それぞれ20本ぐらいの新作を発表。さらに大手が主催する合同展示会に年に4回ほど参加しています。また、素材分野ではTLFという合同展示会に参加。バッグ、素材合わせ年間10回程度の展示会に出展し、これが現在主要な販促活動となっています。「会社の特性上、素材の展示会に出展中に製品化の依頼がくる、あるいは、バッグの展示会に出ているときに『このバッグの素材がほしい』という商談になることもあるんですよ」という石井さんの話からも分かるように、素材卸とメーカーを両立するメリットも大きいようです。
「革の材料屋、革のバッグメーカーという括りに縛られず、新たな挑戦を続けていきたい。現在は、カーボン繊維という素材を用いた新しい製品を企画しているところですが、こうした挑戦を続けていきたい。
MUZICA VITAとWYNN BROWNEについては、秋葉原〜御徒町エリアの商業施設「2k540 AKI-OKA ARTISAN」に直営のレザーバッグショップ「RazyCloset」を出店しています。「RazyCloset」では『軽い、お手頃価格、お手入れが簡単』をコンセプトに、日常でリラックスして使える革鞄を豊富にラインナップされています。
ショップページへは、下のリンクからアクセスできます。



飽きられたら終わり、常に新しいことに挑戦する

ものづくりを進める上でのこだわりについて、石井さんに聞いてみました。
「今までやってきたことの蓄積をもとに常に新しいことにチャレンジすること。チャレンジしたら、それを安定化させて良いものを創っていく。数年経つとその「新しい」が当たり前になる。そうしたら、また新しいものにチャレンジする」
そして、もう一つのこだわりが素材。革の特質を見極めて適材適所に使用していきます。「このデザインならこの材料、逆にこの材料ならこのデザインというのがあると思いますが、うちは元来が材料屋なので、いろいろなソースの中から『これが一番』という素材を的確に選び出すことを常に意識しています。似た革でも、張りがなくて軟らかいからドレープができる、あるいはしっかりと自立してくれる。こうした特性を使い分けることが大切です」


新しいものづくりへの挑戦

  • ニャスクケース&コードホルニャー

    コロナ禍向けの製品として開発した猫型をモチーフにしたマスクケースと、やはり猫をモチーフにイヤホンやUSBケーブルをまとめられるホルダーのセットです。裏面にアルコール耐性のある加工をしてあるため、繰り返し除菌して使えるレザーマスクケースです。

  • ペットボトルをリサイクル

    回収ペットボトルをリサイクルした再生ポリエステルのフェルトを素材にしたバッグ。極めて軽く、発色も良好なのが特徴で、大人気です。

  • カーボンを素材に組み込むバッグ

    表裏も革ですが、その間に0.02mmのカーボンフィルムをアレンジすると革を極めて薄くでき、革だけでつくると1.1kgのものが600gと、ほぼ半分の軽さを実現。

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